丸みがあり、親しみやすい赤ワイン。メルローについて、そんな説明を目にすることがあります。けれども、この葡萄が歩んできた道は、決して穏やかな一本道ではありません。 名が記録に現れたのは18世紀のボルドーです。 19世紀には害虫がヨーロッパの畑を襲い、20世紀には霜や腐敗が栽培家を悩ませました。その一方で、メルローはボルドー右岸の粘土質の土地で存在感を増し、やがてイタリア、アメリカ、チリをはじめ各地へ渡っていきます。 2009年にはDNA解析によって、長く分からなかったもう一方の親品種まで突き止められました。 ...