古いワインのラベルに描かれた盾、王冠、獅子、鍵、蔓草。私たちはその細部を読めなくても、どこか由緒ありげな空気を感じ取ります。 けれども、盾が描かれているからといって、すべてが正式な紋章とは限りません。家に伝わる紋章もあれば、都市や宗教組織の印、品質を訴えるブランドマーク、単に古風な印象をつくるための装飾もあります。 ワインラベルは、中身の名前や産地を知らせる表示であると同時に、造り手が「私たちは何者か」を語る小さな舞台です。 そこに紋章が置かれるとき、語られているのは血筋だけではありません。家業を受け継い ...